こんにちは。
新型コロナウイルスの感染がますます広がり、自分も感染してしまわないか不安な毎日ですね。
そんな中、WHOにより推奨されているのが「20秒以上の手洗い」です。
手洗いはものすごく基本的なことではありますが、実はアルコール消毒よりもウイルス対策に効果的と言われているんです。
石鹸でウイルスを殺せるのはなぜか、ウイルスの構造から解説します!
新型コロナウイルスとは
そもそもウイルスってなに?
自分の遺伝子情報(DNAまたはRNA)を持って人や動物の細胞に侵入(感染)し、自分のコピーを作らせるやつのことをウイルスと呼んでいます。
DNA・RNAは身体を作るための「設計図」であり、
料理で言うとレシピみたいなものです。
いくらすばらしいレシピを持っていても、材料やキッチンがなければ料理はできませんよね。
ウイルスは料理を作りたいのにレシピしか持っていないので、人の家に忍び込み、材料とキッチンを勝手に使って料理(自分のコピー)を作るのです。
その結果、ウイルスに感染した人や動物は、本来自分のために使うはずだった栄養やエネルギーをウイルスに奪われてしまいます。身体にさまざまな不調が起きるのはこれが原因なんですね。
新型コロナウイルスの構造
新型コロナウイルスはこのような構造をしています。

周りに丸っこい突起がずらりと並んでいますが、これが王冠のように見えることから、ギリシャ語で王冠を意味する「コロナ(corona)」という名前がつけられたそうです。
この王冠を使って、人の細胞にある「レセプター」と呼ばれるたんぱく質にくっつき、細胞に侵入していきます。
その王冠(突起)が生えているのが、「エンベロープ」という脂質の膜です。

envelopeといえば「封筒」ですが、封筒は手紙を覆い、ウイルスのエンベロープはウイルスの遺伝子(DNAまたはRNA)を覆うので、「周りを覆う膜」という意味で共通していますね。
最初に見たように、ウイルスの核はこの遺伝子部分です。つまり、コロナウイルスは核である遺伝子(RNA)部分をエンベロープで守っているということになります。
せっけんによる手洗いはこの「エンベロープ」を攻撃します。
せっけんがウイルスを殺すメカニズム
せっけんの分子は以下のような構造をしています。

親油基は「油と仲がいい」性質、親水基は「水と仲がいい」性質を持っています。
油汚れは水をはじくので、水で洗っただけでは落ちません。
しかしせっけんを使うと汚れを落とせますね。その理由は、せっけんの親油基が油を取り囲むことで反対側の親水基が表に出て、水に溶けるようになるからです。

水や油との仲の良さはどうやって決まるのか?が気になる方はこちらの記事をどうぞ!
さて、先ほど見たようにウイルスを覆うエンベロープは「脂質」でできていました。
そのため、油汚れと同じようにせっけんはエンベロープにくっつくことができます。
せっけんがエンベロープを取り囲むことで、ウイルスを守る脂質の膜を壊して水に溶けるようにします。
そして脂質の膜の中身は水に溶けるので、そのままウイルスを水で流すことができるのです。
このようにしてせっけんはウイルスを殺してくれるので、「20秒以上の手洗い」(エンベロープを壊すのに十分な時間)はコロナウイルス対策として効果的なんですね。
「せっけん作りキット」なんかも売られているようです。家でお子さんと時間を持て余している!という方は一緒に作ってみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
・ウイルスは油のような膜(エンベロープ)で覆われている
・せっけんは油になじむ部分と水になじむ部分を使ってその膜を壊す
・せっけんでバラバラになったウイルスは水で流すことができる
WASH YOUR HANDSのダンス動画が流行っていますね。
気の滅入るニュースの多いこの頃ですが、歌いながら楽しく手洗いをしてウイルスに負けないよう頑張りましょう!
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