【文系女子の物理基礎】物理嫌いに捧ぐ、物理にちょっと親しみを持てるかもしれない話(「博士と彼女のセオリー」のセリフから)

文系女子の物理基礎

こんにちは。
物理といえば、高校生に最も嫌われている科目ですよね(※独断)。
延々と続く記号、脈絡なく生える矢印、意味不明な設定…もちろん「難しい」ことも相まって物理の時間はいつも憂鬱な人も多いのではないでしょうか。

世の中にある「物理の楽しい話」「面白すぎる物理」などなどはだいたい「物理が好きな人」が書いている、身の回りのうんちく話ですよね。

でも物理嫌いが求めているのはもっと根本的な、「物理への拒否感を無くすにはどうしたらいいのか」じゃないかと思うのです。

この記事では、「物理嫌い」だった私が自分を納得させた「物理と仲良くできる考え方」について書いてみます。きっとあなたも物理に少し親しみを持てると思います。

博士と彼女のセオリー

※映画について若干のネタバレを含みます。

博士と彼女のセオリー」という映画をご存知ですか?
ブラックホールの特異点定理を発表した、理論物理学者であるスティーヴン・ホーキング博士の伝記映画です。といっても、この定理についてお話しするわけではありません(というか定理の詳細を知りません)。

この映画は、ホーキング博士と彼の妻であるジェーンの関係を中心に描かれます。
ケンブリッジ大学で出会った二人は恋に落ち、めでたく結婚し子供も授かります。しかしスティーヴンはALSという難病によって徐々に体が不自由になってしまいます。彼を献身的に支えるジェーンでしたが、「介護疲れ」もあって関係はぎくしゃくし、やがて二人は離婚という選択をします。
そのときのジェーンが絞りだすように言った、非常に印象的なセリフがこちら。

"I have loved you."

ニュアンスを含めて和訳すると、「あなたのことをずっとずっと愛してきたし、今も愛しているわ」という感じでしょうか。
英語の「現在完了形」を感覚で理解している人なら非常に「刺さる」セリフですよね。
(現在完了とか理解できない!という方はハートで感じる英文法がめっちゃおすすめです。)
つまり「過去のある時点から現在に至るまで愛しているという状態が続いている」ということです。
しかし、ちょっと待ってください。
これがどういう状況か本当に理解できているでしょうか?

物理は「状況を正確に表すための言語」

"I have loved you."という状況を表すために、
縦軸に愛してる度、横軸に時間をとると、どういうグラフになるでしょうか?

まず考えられるのはこの形です。出会ったときから今に至るまで、ずっと同じ愛してる度が継続しています。

また、こういうのもあります。
出会ったときはそこまで愛してなかったけど、時間が経つにつれどんどん好きになっていったパターン。

あまり考えたくないですがこういういのもあります。
出会ったときは大好きだったけど、だんだん冷めていったパターン。

もちろん現実はこんなに単純ではなく、ケンカして仲直りしての繰り返しかもしれません。

このように、同じ「ずっと愛してきた」を表すにしてもパラメータが異なれば全く違う状況になりますよね。
これを文脈から読み取ろうとするのが文学ですが、詳細を明示して誤解なく伝えられるのが物理や数学です。
つまり物理は「状況を正確に表すための言語」といえます。物理を学習することは、そのメッセージを読み取れるようになることです。

言語だと考えれば、習得するモチベーションがわきませんか?(文系あるある)
実際、「問題を解く」つまり一部の情報から隠された情報を導くことができるように、物理を学習すると読み取れる情報量が格段に上がりますよね。

お気づきの通り、先ほどのグラフは「愛してる度」を「速度」に変えると物理でおなじみのvtグラフになります。
つまりvtグラフは時間とともに「愛」もとい「速度」がどのように持続、加速あるいは減速していったかを誤解なく伝わるように表しているのですね。そう考えると無味乾燥なvtグラフも少しドラマチックに見えてきます。
同じように、この図はどんな状況を表しているのかな?とイメージできることが物理を学習する醍醐味であり、モチベーションにもなると思います。

まとめ

・物理は「状況を正確に表すための言語」と考えられる
・図やグラフがどんな状況を表すかイメージするとドラマを感じられる(かもしれない)

高校では物理を義務感から勉強している人も多いですよね。

でも、どうせ勉強するなら少しでも楽しめるよう発想の転換をすると、効率も上がると思います。よろしければ参考にしてみてくださいね。

若干ネタにしてしまいましたが(ごめんなさい)、「博士と彼女のセオリー」はとてもいい映画です。特に主演のエディ・レッドメインの演技が最高です!

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