【新型コロナ対策】次亜塩素酸水とは?次亜塩素酸ナトリウムとの違いは?ウイルスへの効果をわかりやすく解説

新型コロナ対策

こんにちは。
最近、消毒用アルコールの代わりとして「次亜塩素酸水」が注目されています。
でもそれって一体どんな物質なのか、本当に使っていいのかわからないですよね?

この記事では、次亜塩素酸水について
・どんな物質なの?
・ウイルスへ効果はあるの?
・次亜塩素酸ナトリウムとの違いは?
・人体にとって安全?
・次亜塩素酸水の欠点は?
といった疑問にお答えします。
ぜひ読んでみてくださいね。

次亜塩素酸水とは?

次亜塩素酸の構造

次亜塩素酸水の主な成分である「次亜塩素酸」は、こんな構造をしています。

H-O-Cl

長い名前のわりに意外と小さいですね。そして、このままだと馴染みがないかもしれませんが、こちらはどうでしょう。

H-O-H

H2O、そう、水ですね。
次亜塩素酸は、水分子の水素原子Hのうち1つが塩素原子Clに置き換わったものなのです。

なぜ殺菌・消毒力が強いの?

たとえば、学校で今からテストがあるとします。
あなたはいつも2本えんぴつを持っています。2本あれば、1本落としてしまっても安心ですよね。
でも、昨日の夜えんぴつの芯を削るためにペンケースの外に出したので、今日はえんぴつを家に置いてきてしまいました。
いつもは2本持ってるのに、今日は0本!今からテストなのに、これは大変です。
そんな時、隣の席にえんぴつを5本持っている友達がいたら、あなたはどうしますか?
きっと、「お願い!えんぴつ貸して!」と言いますよね。
5本も持ってるんだから、できれば1本じゃなくて2本貸して!と思いますよね。

ここで、えんぴつ=電子と考えると、
次亜塩素酸は、めちゃくちゃえんぴつ(電子)を欲しがっている物質なのです。
これは、次亜塩素酸の塩素原子の「酸化数」によってわかります。

酸化数とは、ざっくり言うと「電子の欲しさレベル」の目安になります。
電子を一つ受け取るごとに酸化数(電子の欲しさ)が1下がり、
電子を一つ失うごとに酸化数(電子の欲しさ)が1上がります。

塩素Clは普段、酸化数が-1のことが多いです(塩化物イオンCl-の状態)。
えんぴつを2本持っているのと同じで、酸化数-1が塩素にとって落ち着く状態なのです。

しかし、次亜塩素酸の塩素原子の酸化数は+1です。
電子の数で考えると、居心地のいい酸化数-1の状態から電子を2つも失って、酸化数(電子の欲しさ)が2上がっている状態です。
これは塩素にとって、とても居心地の悪い(不安定な)状態です。

そのため、一刻も早くまわりの物質から電子を2つ奪って、酸化数-1になろうとします。

塩化物イオン(Cl-)
次亜塩素酸(HOCl)
酸化数-1+1
電子の欲しさいらないめちゃ欲しい
えんぴつ2本0本
えんぴつの欲しさいらないめちゃ欲しい

相手から電子を受け取ることを、相手を「酸化する」と言います。
次亜塩素酸はとても電子を欲しがっているので、「酸化力がとても強い」ということになります。

実は、次亜塩素酸による「殺菌・消毒」というのは菌やウイルスを「酸化する」ということなのです。(他のやりかたで殺菌・消毒をする物質もあります)
つまり次亜塩素酸の強力な酸化力は、次亜塩素酸が強力な殺菌・消毒作用を持つことを意味しているのです。

補足
補足

酸化数の範囲は物質によって異なりますので、酸化数が+1であれば必ず酸化力が強いわけではありません。 酸化還元について詳しくはこちらの記事に記載しています。

次亜塩素酸ナトリウムとの違い

次亜塩素酸ナトリウムは漂白剤やカビ取りスプレーに広く使われているので、なじみのある方も多いと思います。
「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は、名前は似ていますが違う物質です。

その性質の違いは何かというと、まず酸性・アルカリ性の強さ(pH)が違います。
pH7は中性で、それより小さくなるにつれ酸性が強くなり、大きくなるにつれアルカリ性が強くなることを表します。
次亜塩素酸水は微酸性(pH5~6.5程度)、次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性(pH8.5~10程度)です。

実は、このpHが殺菌力の強さに大きく影響します。
次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムは両方とも、殺菌成分として最初に見た「次亜塩素酸(H-O-Cl)」を含んでいるのですが、pHによってその存在できる比率が大きく変化するのです。

出典:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/08/dl/s0819-8k.pdf

上のグラフの通り、次亜塩素酸が存在できる比率は酸性で高く、アルカリ性で低くなります。
繰り返しますが、次亜塩素酸はその酸化力で殺菌・消毒を行う成分ですので、次亜塩素酸の存在比率が高いということは殺菌力がそれだけ高いということを表します。
実際、次亜塩素酸水は次亜塩素酸ナトリウムよりも殺菌力が高いです。

また、漂白剤やカビ取りスプレーを思い出すとわかるように、次亜塩素酸ナトリウムは手袋・換気をして使うのが普通ですよね。つまり、手に触れたり目に入ると危ないのです。これは、次亜塩素酸ナトリウムに入っている「水酸化ナトリウム」という物質のせいです。

それに対して次亜塩素酸水は手に触れても安全です。
次亜塩素酸は全く無害というわけではないのですが、次亜塩素酸水では十分に濃度が低いので、触れても大丈夫なのです。

次亜塩素酸水の欠点

さて、次亜塩素酸水は殺菌作用に優れ、人体にも安全であるということがわかりました。
では、なぜそんなすばらしいものが今まで普及していなかったのでしょうか?
実は、次亜塩素酸水には大きな欠点があるのです。

それは、ほうっておくと殺菌成分の次亜塩素酸が徐々に分解してしまうということです。
次亜塩素酸が「強力な酸化作用を持つ」というのはすなわち「とても反応しやすい、不安定な物質」であることを意味します。
そのため、一瞬で他の物質と反応して違う物質になってしまうため、次亜塩素酸単体では保存ができません。
商品として売るためには長期保存ができないと困るので、水酸化ナトリウムを加えて安定化させ、長期保存できるようにした「次亜塩素酸ナトリウム」が広く使われているのです。

「次亜塩素酸水」は、次亜塩素酸を安定させるために水を加えたものですが、それだけでは長期保存できるほどの安定性がないのです。(保存可能な期間は保存状態によって大きく異なりますが、だいたい3か月が目安のようです)

次亜塩素酸はすごく殺菌力が強いけど、その力には時間制限があるんですね。

ウルトラマンみたいな感じですね

まとめ

次亜塩素酸水次亜塩素酸ナトリウム
殺菌力
安全性×
保存性

次亜塩素酸水は、次亜塩素酸ナトリウムより殺菌・消毒力が強く、かつ安全なので、ウイルス対策に安心して使うことができます。 ただし、時間がたつと殺菌力がなくなるので、使用期限を守ることが大切です。

できる限りのウイルス対策で、自分や家族の身を守るようにしたいですね。


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