【文系女子が教える化学】活性化エネルギーとは?触媒との関係をわかりやすく解説

文系女子が教える化学

こんにちは。
講座を受講してからしばらく、活性化エネルギーのイメージがなかなかつかめませんでした。
反応におけるエネルギーとは何なのか、そもそも化学反応はどういう流れなのか…いろいろと前提がわからない状態だと頭が混乱してしまいますよね。
この記事では、「活性化エネルギー」とはどういう概念か、また「触媒」との関係をわかりやすく解説します。
化学におけるエネルギーを理解すると、反応熱や反応速度のイメージもつかみやすくなります。ぜひ読んでみてくださいね。

化学反応とエネルギー

化学反応とは、「反応物質」が「生成物質」に変化することです。
しかし実は、反応物質がまっすぐ生成物質に変わるわけではありません。
これをのび太の状態変化で考えてみます。

のび太が家で漫画を読んでいました。
読み終わって、「さあ昼寝しよう」と思ったところにママがやってきて「宿題をしなさい」と言いました。
のび太が昼寝をするには、宿題という壁を超える必要がありますね。

×のび太(漫画)→のび太(昼寝)
○のび太(漫画)→のび太(宿題)→のび太(昼寝)

化学反応もこのような状況にあります。

のび太(漫画)を反応物質、のび太(昼寝)を生成物質とすると、
反応物質から生成物質に変化するためにはのび太(宿題)に相当する「活性化状態」を通る必要があります。

ここで、のび太(漫画)とのび太(宿題)を比べたとき、どちらの状態がより大きなエネルギーを必要とするでしょうか?

絶対に宿題の方ですね。同じように、物質にはそれぞれ固有のエネルギーレベルがあります。これは「その状態でいるために必要なエネルギー」と考えるとイメージしやすいと思います。

そして、反応物質(漫画)→活性化状態(宿題)→生成物質(昼寝)の反応において、
反応物質から活性化状態へと移るために必要なエネルギー(=二つの状態におけるエネルギーの差)のことを「活性化エネルギー」といいます。

反応の最終生成物は(昼寝)ですが、
活性化エネルギーを考えるときは、
反応物質(漫画)と生成物質(昼寝)のエネルギー差、あるいは活性化状態(宿題)と生成物質(昼寝)のエネルギー差は考慮されないことに注意してください。
活性化エネルギーはあくまでも最初の反応物質から活性化状態へ移るときのエネルギー量です。

反応物質(漫画)と生成物質(昼寝)のエネルギー差は「反応熱」といいます。

この反応をグラフにすると以下のようになります。

出典:https://cmaj.jp/aboutcatalysts/what/

活性化エネルギーのイメージはつかめたでしょうか。それでは「触媒」との関係について見ていきます。

活性化エネルギーと触媒

反応物質が活性化エネルギーの壁を越えられない場合、その化学反応は起こりません。
逆に言えば、化学反応を起こすためには、活性化エネルギー分のエネルギー量をなんらかの手段で反応物質に与える必要があります。多くの場合は加熱によってエネルギーを与えます。

しかし、活性化エネルギーが大きい場合、かなり高温にしないと反応が起こらず大変ですね。

そんなとき助けてくれるのが触媒です。先ほどのグラフにもあるように、触媒は活性化エネルギーを小さくして、反応を起こりやすくしてくれるのです。これによって反応が速く進みます
のび太がひみつ道具(例:ハッスルねじ)を使って宿題を速く終わらせたみたいな感じですね。

触媒を使うとなぜ活性化エネルギーが小さくなるかというと、反応物質と触媒が結びつくことで、先ほどの「活性化状態」よりもエネルギーの低い中間体となるためです。
異なる反応経路(楽な道)が生まれるということですね。

まとめ

・活性化エネルギー=反応物質が活性化状態になるために必要なエネルギー
・触媒は活性化エネルギーを小さくして反応を速める

とある大学研究室の集合写真で、先生の所に「←chemical catalyst(触媒)」と書いてありました。なんかいいですよね。
効率よく学習を進められるよう工夫して頑張りましょう!

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